人気ブログランキング | 話題のタグを見る

子宮がんを調べる


検診後、ふらふらと会社に到着。

駅でも、街でも、歩いている全ての人が健康そうに見えて泣けてくる。

なんであたしが? こんなに人はいっぱいいるのに、あたしだけ?


がん、ガン、癌。  調べなきゃ、ネットで子宮がんを調べなきゃ。 

調べてみるといろんなことが分かった。




概要
一般に子宮癌と呼ばれている癌には、子宮頸癌と子宮体癌の2種類がある。
一部の例外を除き、子宮頸癌と子宮体癌は全く異なる種類の癌で、
その原因、発生部位、頻発年齢が異なる。

ほとんどの子宮頸癌は扁平上皮癌であり、これらは発生原因が科学的に解明されている。
即ちヒトパピローマウイルス(HPV)の長期間の感染により発症することが最近の研究で
明らかになっている。
以下、特に断りのないかぎり本記事では子宮頸部扁平上皮癌について述べる。

子宮頸癌の最大の特徴は、予防可能な癌であるという点である。
これは異形成(子宮頸癌になる前の病変)が発見可能なためであり、
定期的な子宮頸癌検診により、異形成の段階で発見・治療することにより
癌の発症を未然に防ぐことが可能である。


分類0期
浸潤が認められない上皮内癌(Carcinoma in situ)。
I期
癌が子宮頸部に限局。
Ia期
組織学的に微小浸潤癌が確認されたもの。
Ib期
Ia期以外のI期癌。
Ib期occ
通常の検査では認められなかったが、切除により明確な浸潤癌が確認されたもの。
II期
癌が子宮頸部を超えて広がるが骨盤壁または膣壁下1/3に達しないもの。
IIa期
膣壁に浸潤するが子宮傍組織へは浸潤しないもの。
IIb期
子宮傍組織に浸潤したもの。
III期
骨盤壁に浸潤したか膣壁下1/3に達したもの。
IIIa期
膣壁下1/3に達するが骨盤壁へは浸潤しないもの。
IIIb期
骨盤壁に浸潤したもの。
IV期
癌が骨盤腔を超えて広がるか、膀胱、直腸の結膜に浸潤したもの。
IVa期
膀胱、直腸の粘膜への浸潤があるもの。
IVb期
小骨盤腔を超えて広がるもの。
Ch
Ia期までの症例で子宮摘出を行ったところ、癌が子宮を超えて広がっていたことが判明したもの。

症状
初期の子宮頸癌はほとんど自覚症状がない。
癌が進行すると不正出血が見られる場合もある。

原因
子宮頸部扁平上皮癌はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が原因で
引き起こされることが解明されている。
HPVには100以上もの種類があり、皮膚感染型と粘膜感染型の2種類に大別される。子宮頸癌は粘膜感染型HPVの中でも高リスク型HPVと呼ばれている性交渉によって感染する一部のHPVが長期間感染することによって引き起こされる。
HPVは性交渉により感染するウイルスであり、性交経験のある女性では誰でも感染しうる。ほとんどの女性は感染履歴を有すると考えられる。HPVに感染しても多くの場合は、免疫力によってHPVが体内から排除される。HPV感染の大半は2年以内に自然消失するが、約10%の人では感染が長期化(持続感染化)する。HPVが持続感染化するとその一部で子宮頸部の細胞に異常(異形成)を生じ、さらに平均で10年以上の歳月の後、ごく一部(感染者の1%以下)が異形成から子宮頸癌に進行する。


検診
日本国内で実施されている子宮頸癌検診の検査法は細胞診とHPV検査である。いずれもWHOで子宮頸癌の検診検査として有効性が認められた検査法。



細胞診
細胞診は子宮頸癌を疑うような異常細胞がないか判定する検査。子宮頸部から採取した細胞を色素で染色し、異常細胞がないか顕微鏡で観察する検査法。
検査結果は日母分類と呼ばれるクラス分類に従って、以下のいずれかに判定される。
クラスⅠ:正常である。
クラスⅡ:異常細胞を認めるが良性である。
クラスⅢa:軽度~中等度異形成を想定する。
クラスⅢb:高度異形成を想定する。
クラスⅣ:上皮内がんを想定する。
クラスⅤ:浸潤がん(微小浸潤がん)を想定する。
クラスⅢa以上の場合は精密検査を実施。
細胞診による癌または前癌病変の発見率は約70%とされている。

HPV検査
HPV検査は子宮頸癌の原因である高リスク型HPV感染の有無を判定する検査。細胞診と同様に子宮頸部から採取した細胞を用い、HPV感染を判定する検査法。30歳以上では10%弱がHPV陽性と判定される。
HPV検査による癌または前癌病変の発見率は約95%とされている。
細胞診とHPV検査を併用した場合、癌または前癌病変の発見率はほぼ100%とされている。


診断
検診の結果、細胞診クラスⅢa以上であったり、HPVに持続感染しているなど、精密検査の必要性があると判断された場合は精密検査を実施し、最終的な診断を行う。
精密検査ではまず、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を用いて子宮頸部粘膜表面を拡大し、観察するコルポ診と呼ばれる検査を行う。コルポ診で異常を疑う箇所がみられた場合、その部分の組織を採取し、組織診と呼ばれる病理学的検査を行い、確定診断を行う。

予防
子宮頸癌は検診を定期的に受診することでほぼ確実に予防可能である。
また、HPV感染のうち、下記4種類に対する発病に関してはワクチンもある。
HPVに感染してから異形成(前癌病変)を経て、子宮頸癌を発症するまで、平均10年以上の長期間を要するが、異形成は子宮頸癌は細胞診とHPV検査の併用による検診でほぼ確実に発見することが可能である。異形成は簡単な治療でほぼ完治する。このため、子宮頸癌は定期的な検診受診で予防が可能といわれている。 
ヒトパピローマウィルス ヒトパピローマウィルスワクチン

HPV 6, 11, 16, 18型に対する4価のワクチンと、16, 18型に対する2価のワクチンが2006年に米国をはじめ諸外国で承認された。前者に関しては、2007年1月現在、9歳以上、27歳未満の女性が適応で、3回の接種で完了するワクチンである。ワクチンの有効期間は未だ不明とされている。対象年齢外、男性への効果・安全性は現在米国で研究中である。 4価ワクチンはその4抗原が責任となる病変の予防に関しておよそ90%以上の有効率があるとメーカーは発表。決して、治療や再発予防には効果がないだけでなく、使用しないこととなっている。 ワクチンの接種は定期的な、子宮癌検診を代用するものではないので、引き続き、定期健診は重要である。


日本国内では、残念ながら未だ未承認であり、治験段階であるが、個人輸入を取り扱っている医療機関で申し込むことにより接種可能である。


治療

異形成の治療法
異形成は程度に応じて軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類される。
軽度異形成はHPVが自然消失すると、それに伴い異形成も自然治癒する可能性が高いため、通常は治療を実施しない。
中等度異形成の場合は一般に病変の進行の有無を見るため経過観察を行うが、場合によっては治療を行う。治療法は病変部位を含め、子宮頸部の一部分を円錐状に切除する円錐切除術が一般的。円錐切除術では子宮を切除することなく、ほぼ完治する。子宮を残すことができるため、術後の妊娠・出産にもほとんど影響はない。
高度異形成の場合も円錐切除術により、治療を行う。

子宮頸癌の治療法
子宮頸癌の進行期は軽度のものから順に0期、IA1期、IA2期、IB1期、IB2期、II期、III期、IV期に分類される。
0期(上皮内癌)は癌が粘膜層にとどまっている段階であり、異形成と同様に円錐切除術で完治可能。しかし、挙児希望がなければ子宮全摘術を行うこともある。
Ia期は程度が軽い場合は円錐切除術で子宮を残すことが可能であるが、円錐切除術で病変を取りきれない場合は子宮全摘術を行う。
Ib期以降の進行癌の場合は子宮の他、卵巣や卵管、その周りのリンパ節などの臓器も摘出する。国内ではIII期やIV期でも手術をおこなうことがあり、III期では動静脈を切断して靭帯の根部から摘出する術式が、IVa期では膀胱、直腸なども摘出する術式が取られることもある。
米国の子宮頚癌ガイドラインではIA2期以降では放射線療法単独療法、IB2期以降では放射線療法化学療法併用療法が推奨されている。

まれな組織型
子宮頸部に生ずる扁平上皮癌以外の組織型の癌腫としては、比較的多いものに粘液腺癌(頸管円柱上皮由来)がある。また、子宮体癌と同様の組織型を示す、子宮頸部原発の類内膜腺癌というものもある。

極めてまれなものとしては、漿液性腺癌、腺扁平上皮癌、粘表皮癌、すりガラス様細胞癌、腺様嚢胞癌などがある。


子宮体癌について子宮頸癌とは異なり、定期的に行われている子宮癌検診では発見できない為、専用の検診を自発的に受けなければならない。 近年子宮体癌の発症者は急速に増加しており閉経以前以後に関わらず、40代後半以降の女性なら全て発病の可能性がある。 子宮頸癌の発生部位が子宮の入り口ならば子宮体癌は奥に当たるが、子宮頸癌が先に発症するとは限らない。 症状はステージ4に至るまで生理不順及び不正出血のみである為、少しでも心当たりがあれば早急な検査が望まれる。
by igaguri-2114 | 2007-09-26 15:00 | 知識
<< 子宮ガンを調べる 2 婦人科検診 2 >>